投資情報部　鈴木　英之

■SBI証券ではじめてお取引された方に人気の銘柄ランキング（現物）
2023年12月の第1位は、8ヵ月続けて日本電信電話（9432）になりました。6月29日を権利落ち日とする1対25の株式分割を経て、単元株あたりの売買金額が小さくなり、売買高は分割前より急増しており、はじめての取引で買い付けた投資家が増えています。第2位も、前月に続き三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループがランクインしました。生活に密着した金融サービスを展開していること、３メガバンクの中で単元株あたりの売買金額が小さいこと、予想配当利回りが高いこと等が人気の背景で、上位が定着しつつあるようです。第3位も前月と同順位の日本たばこ産業（2914）で、予想配当利回りが高く、12月はその権利確定月でした。結局、第1位から第3位までは前月と同じでした。

　■SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング（信用）
2023年12月の第1位は東京電力ホールディングス（9501）で、新規ランクインとなりました。12月6日の原子力規制委員会定期会合で、運転中止中の柏崎刈谷原子力発電所の再稼動をめぐり、東京電力の事業者としての適格性を判断するとされました。原発再稼動への期待から同日以降株価が急騰し、5日終値640.3円に対し、11日には895.0円まで上昇。この週の信用倍率も1.41倍と投資妙味が増幅しました。なお、原子力規制委員会は12月27日に運転禁止措置の解除を発表しましたが、実際の原発再稼働に向けては地元の同意を得る必要があり、12月後半の株価は高値から下落して推移しました。第3位にはすかいらーくホールディングス（3197）がランクインしました。6月および12月末に100株以上保有する株主に2,000円相当（金額は保有株主により変動）の飲食代割引カードを贈呈する株主優待を実施しています。12月は権利確定月ということで、つなぎ売り需要が高まりました。なお、第6位ライオン（4912）、第9位日本マクドナルドホールディングス（2702）、第10位楽天グループ（4755）も株主優待の権利確定月でした。

■SBI証券の売買代金ランキング
当ランキングについては、「買い」・「売り」ともに同じ順位になる銘柄がほとんどでしたので断りのない限り、「買い」・「売り」同順位とします。第1位は半導体製造装置のレーザーテック（6920）となりました。ディーリング人気が継続しており、常にトップが続いています。10月の世界半導体出荷は2ヵ月連続前年同月比プラスとなり、半導体市場の回復が続きました。第2位は川崎汽船（9107）でした。中東情勢の不安定化で、紅海を迂回する航路の使用が増え、運賃が増えるとの思惑から、海運株全般に物色されました。第3位は前月2位からランクダウンで「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」（1570）が入りました。

■SBI証券のETF/ETN人気ランキング
第1位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 （1570）、第2位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 （1357）、第3位が日経平均ベア2倍上場投信（1360）で、ここまでは前月と同じ順位でした。第4位にはＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ インド株式指数・Nifty50連動型上場投信 （1678）が新規ランクインしました。インド株は2023年、短期調整をはさみつつもほぼ右肩上がりで上昇しており、国際分散投資の対象として人気をあつめつつあります。

　■SBI証券のREIT人気ランキング
第1位は「投資法人みらい　投資証券」（3476）が引き続きトップになりました。予想分配金利回りは足元でも5％を超えています。第2位は「大江戸温泉リート投資法人　投資証券」（3472）が新規ランクインとなりました。12月12日に、資産運用会社の全株式をアパグループに譲渡すると発表。同社との協業により、主要金融機関との関係を強化できるとして、それを好感した買いが一時優勢になりました。