投資情報部　鈴木　英之

■SBI証券ではじめてお取引された方に人気の銘柄ランキング（現物）
2024年1月の第1位は、9ヵ月続けて日本電信電話（9432）になりました。6月29日を権利落ち日とする1対25の株式分割を経て、単元株あたりの売買金額が小さくなり、売買高は分割前より急増しており、はじめての取引で買い付けた投資家が増えています。第2位も、前月に続き三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ（8306）がランクインしました。生活に密着した金融サービスを展開していること、３メガバンクの中で単元株あたりの売買金額が小さいこと、予想配当利回りが高いこと等が人気の背景で、上位が定着しつつあるようです。第3位も前月と同順位の日本たばこ産業（2914）でした。結局、第1位から第3位まで前月と同じでした。新ＮＩＳＡのスタート月でしたが、はじめて取引される銘柄の組み合わせは変わりませんでした。SBI証券の新NISA枠での累計買付代金ランキング（1/4〜1/22）も、第1位日本たばこ産業（2914）、第2位三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ（8306）、第3位日本電信電話（9432）であり、同じ組み合わせになりました。第4位はアステラス製薬（4503）でした。株価は前半高・後半安となりましたが、予想配当利回りの高さで人気になりました。

　■SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング（信用）
2024年1月の第1位はトヨタ自動車（7203）で、12月の第2位からトップ奪回となりました。新NISAスタートや、それに伴う資金流入期待で市場全般に海外投資家の資金が流入する中、我が国を代表する同社株も人気の対象になりました。トヨタ自動車は、ＥＶ（電気自動車）への対応で後れを指摘されてきましたが、ＥＶに関しては寒冷地でのエネルギー効率の悪さ等を指摘する向きも増え、ハイブリッド車に強い同社を再評価する空気も強まりました。年明けを境に外為市場で円安・ドル安が進み始めたことも追い風になりました。第2位には、ファブレス（工場を持たない）半導体メーカーであるソシオネクスト（6526）が新規にランクインしました。昨年12月27日を権利付き最終日とする1→5の株式分割を実施し、最低売買金額が下がり、買いやすくなったことで、新規資金流入や、それに対する期待の高まりが株価上昇につながりました。半導体関連株が総じて人気化したことも追い風になりました。

■SBI証券の売買代金ランキング
当ランキングについては、「買い」・「売り」ともに同じ順位になる銘柄がほとんどでしたので断りのない限り、「買い」・「売り」同順位とします。第1位は半導体製造装置のレーザーテック（6920）となりました。ディーリング人気が継続しており、常にトップが続いています。米半導体株指数が堅調に推移し、半導体株全体が堅調に推移したことも追い風でした。第2位は「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」（1570）、第3位は川崎汽船（9107）で、前月と順位が入れ替わりました。日経平均は1月、前月比8.4%上昇し、昨年11月の8.5%に次いで大きな上昇率を示しました。日経平均の値動きに対し2倍動くよう設計されている「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」は月間で17.6%上昇しました。SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング（信用）で第2位にランクインしたソシオネクストは、売買代金の面でも第4位に新規ランクインしました。

■SBI証券のETF/ETN人気ランキング
第1位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 （1570）、第2位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 （1357）で、ここまでは前月と一緒でした。第3位には前月の第5位からランクアップし、ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均高配当株50指数連動型投信が入りました。新ＮＩＳＡがスタートし、高配当利回り銘柄に人気が集まったとで、このＥＴＦも買われました。

　■SBI証券のREIT人気ランキング
第1位はインヴィンシブル投資法人　投資証券（8963）が前月の第3位からランクアップし、トップなりました。予想分配金利回り（1/31）が5.82%と株式等に比較して高いこと、12月が決算月であったことで人気を集めました。