投資情報部　鈴木　英之

■SBI証券ではじめてお取引された方に人気の銘柄ランキング（現物）
2024年2月の第1位は、10ヵ月続けて日本電信電話（9432）になりました。昨年6月29日を権利落ち日とする1対25の株式分割を経て、単元株あたりの売買金額が小さくなり、売買高は分割前より急増しており、はじめての取引で買い付けた投資家が増えています。今期会社予想EPS（5円）に対し、2月末株価182.3円で計算された予想配当利回りは2.7％で、東証プライム市場の同2.11%（2月末）を上回り、配当面での魅力も加わっています。第2位はラストワンマイル（9252）が前回の7位からランクアップし、ランクインとなりました。2/27を権利付き最終日とし、1株以上を保有する株主にAmazonギフトカード1,000円相当が贈呈される株主優待（ただし6ヵ月以上保有が条件）が予定されています。S株投資を利用した購入が増えたとみられます。第3位は、三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ（8306）がランクインしました。生活に密着した金融サービスを展開していること、３メガバンクの中で単元株あたりの売買金額が小さいこと、予想配当利回りが高いこと等が人気の背景で、上位が定着しつつあるようです。

　■SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング（信用）
2024年2月の第1位はイオン系ドラッグストアのウエルシアHD（3141）が初めてトップとなりました。100株以上保有で3,000円相当の買物券等が贈呈される株主優待の権利確定月に当たり、つなぎ売り需要が増えたとみられます。第2位は前月トップのトヨタ自動車（7203）が上位キープとなりました。新NISAスタートや、それに伴う資金流入期待で市場全般に海外投資家の資金が流入する中、我が国を代表する同社株も人気の対象になりました。トヨタ自動車は、ＥＶ（電気自動車）への対応で後れを指摘されてきましたが、ＥＶに関しては寒冷地でのエネルギー効率の悪さ等を指摘する向きも増え、ハイブリッド車に強い同社を再評価する空気も強まりました。

■SBI証券の売買代金ランキング
当ランキングについては、「買い」・「売り」ともに同じ順位になる銘柄がほとんどでしたので断りのない限り、「買い」・「売り」同順位とします。第1位は半導体製造装置のレーザーテック（6920）となりました。ディーリング人気が継続しており、常にトップが続いています。エヌビディア株の人気を背景に半導体株人気が続きました。1月末に業績予想上方修正し、業績的には買い安心感が継続しました。ただ、予想ＰＥＲの上昇で割高感も強まっており、月後半はやや上値の重い展開になりました。第2位は「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」（1570）が前月と同順位でした。日経平均株価は結局、２月・月間では7.6%上昇し、「レバレッジ・インデックス」は同16.3％上昇しました。投資家にとっては商品性を大きく活かせた月になりました。第3位はやはり半導体関連株の東京エレクトロン（8035）が入りました。ソフトバンクグループ（9984）は買い6位、売り4位で再びランクインとなりました。２月８日に決算発表を行い、四半期（3ヵ月）での黒字転換が明らかになりました。それ以降、株価が上昇し、トレーディング人気が復活しました。

■SBI証券のETF/ETN人気ランキング
第1位は前月に続き、ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 （1570）、第2位はＧＸ　半導体関連-日本株式　ＥＴＦが前月の第5位からランクアップしました。国内の半導体関連株を組み込むＥＴＦであり、日本の半導体株人気を反映して人気化しました。ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 （1357）は前月からひとつランクダウンしました。第4位には前月の第3位からランクダウンしたものの、ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均高配当株50指数連動型投信が入り、上位をキープしました。新ＮＩＳＡがスタートし、高配当利回り銘柄に人気が集まったとで、このＥＴＦも買われました。

　■SBI証券のREIT人気ランキング
第1位は産業ファンド投資法人　投資証券（3249）が新規にランクインしました。月半ばに公募・売出を発表し、投資口価格が下落したことで売買が増えました。予想分配金利回りは5％超（3/8）と高めになっており、需給悪化懸念で下げた後は押し目買いが入りやすくなったとみられます。